はじめに
私が青年会議所に入会したのは2014年、27歳の時でした。仕事をするだけで毎日必死だった私には、私よりも忙しく仕事をしながら家庭を守り、JC活動も精力的に取り組む当時の先輩方が不思議でなりませんでした。平等な時間の中で、一回りも歳が変わらない先輩たちがJC活動を通じて何倍もの経験値を積んでいる。私が感じたJC活動の魅力の1つはこの点でした。入会から10年以上が経ち、素晴らしい先輩、同期、後輩に支えていただきながら、この青年会議所で必死に繰り返してきた挑戦が、私に多くの学びと気づきを与えてくれました。それもすべて、この敦賀青年会議所の歴史を紡いできた先輩諸兄のおかげです。65周年を迎える敦賀青年会議所にこれまで関わっていただいたすべての人への感謝の心を持ち、これからの敦賀青年会議所を創っていく仲間たちの未来と真剣に向き合い、いまこの瞬間を託されたものとして全力で邁進致します。
青年会議所の存在意義
青年会議所は日本各地の先輩方がそれぞれの地で思いを継承し続け、「明るい豊かな社会を築き上げよう」この一心で半世紀を超える活動を続けてきました。どの市町も、青年会議所が発足した頃を考えれば、まちは明るく豊かになったと思うこともできるでしょう。しかし、「失われた30年」と日本が表現されるように、日本の国際競争力は低下を続けており、経済成長の鈍化、少子高齢化、労働力不足など、長年同じ課題が上がり続ける状況から突破口を見出せずにいます。この現状を前に、とりわけ若者の中には日本に対して明るい豊かな将来を見通すことができない漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。
「新日本の再建は我々青年の仕事である。」青年会議所設立趣意書の1文目に力強く書かれたこの言葉は、幾年月を重ねても我々が活動する大義であります。我々は様々な課題を目の当たりにして、いつか誰かが、自分が行動してもなにも変わらないなどと、楽観視や悲観視をする第三者ではいけない。我々の次の世代を担う若者が躍動し、活躍する未来を描くことができるよう、課題解決に向けて勇気を持った運動を展開していくことこそが、我々の使命であり、存在意義であります。
65年間受け継がれてきた信念を継承し、感謝の心で未来へ託す
敦賀青年会議所は1960年4月22日に設立、同年8月8日に日本青年会議所に全国で194番目の加盟を致しました。その後今日に至るまで、素晴らしい先輩諸兄が敦賀のまちを思い、英知と勇気と情熱をもって輝かしい運動の数々を展開されてきました。青年会議所の意義や役割は時代とともに変化をしますが、運動の方向性を真剣に考え、議論し実行に移すその弛まぬ努力と崇高な志は、感謝の心を持ってしっかりと受け継ぎ、未来へ継承していかなくてはなりません。
5年前、60周年を迎える1年を力強く走り出した敦賀青年会議所は、コロナウイルス感染症のパンデミックによる世界中のあらゆる動きの制限とともに、大きく膨らみかけていた周年事業のほとんどを諦める判断を致しました。それでも当時在籍していた先輩方は「今、自分たちがまちのためにできることは何か」を真剣に考え、当初の予定していた周年に向けた運動は止めても、この瞬間にできることは何かを考え、まちを思う運動を止めませんでした。当時のメンバーであった先輩方の無念さと、それでも前に進もうと一歩を踏み出した信念をしっかりと心に刻み、全員の心を1つにして本年の事業を実行してまいります。
大きなチャンスを掴んだ敦賀の未来を肯定的に語れるように
北陸新幹線の敦賀開業を果たし、大きなチャンスを掴んでいる敦賀市。しかし敦賀市民から聞こえてくる声の中には、どこか悲観的で暗い将来を暗示するものも少なくありません。何をすることが正解かわからない、何が効果的な一打になるか自信が持てない。まちを真剣に思えばこそ浮かんでくるこの不安な気持ちを否定する必要はありませんが、まるで評論家のように現状や過去の取り組みまでをも否定し、悲観ばかりすることからは何も生み出すことはできません。
しかし近年の事業の中で敦賀市民の中には、敦賀を盛り上げたいと熱意を持つ人が多く存在していることも、再認識しました。敦賀の明るい未来のために能動的に運動を続ける私たちは、行政と連携を取り、各種団体との繋がりも活かしながら、この熱意を持つ人を中心に市民が活躍し、市民意識を変革していけるような団体であるべきだと思います。
自分の住むまちをより良くしたい、自信を持てるまちに創り上げたい、市民にそう思ってもらうには、愛郷心を育むことが不可欠です。敦賀の将来に責任を持ち、尽力できる人財は、敦賀を愛する市民をおいて他にあり得ません。今のまちづくりを行うのは、我々青年世代です。そして今の青少年には将来の敦賀を担ってほしいと願いますが、その青少年に郷土愛を持ってもらうために働きかけるのもまた、我々青年世代であります。このまちの未来に市民がいつまでも夢を描き続けていくために、今一度我々が敦賀を愛し、行動を起こしていくことが必要です。
価値のある組織であるために
「JCしかない時代からJCもある時代に変わった」と揶揄されることがあります。この言葉に真っ向から立ち向かえるメンバーが果たして何人いるでしょうか。確かに青年会議所以外にも多くの団体が存在し、それぞれが信念を持って素晴らしい活動を展開されています。しかし青年会議所には独自の信念や考え方があります。
青年会議所はごみを拾う団体ではありません。ごみを捨てさせない仕組みや社会を作る団体です。目に見える状況を改善するような対症療法ではなく、根本療法を事業や運動を持って社会に示していく組織です。青年会議所自らが社会の課題を抽出し、解決に向けた政策を立案して自ら実行していくことができる。これが他とは違うこの組織の価値であり、その中で個々が必死に挑戦して成長していく過程が会員個人としての価値であります。
この2つの価値を会員が認識し、活動を通じて市民に認知されることで、組織としても会員としても価値は高まっていきます。まずは会員それぞれが、この敦賀青年会議所の中で自己成長を実感することや運動に取り組む面白さを知ってもらう事で、活動することの意義を確立し、その後事業などのさまざまな挑戦の中から周囲に組織の存在意義を感じてもらえるような取り組みを目指します。
むすびに
「JCというのはたとえ失敗しても、真剣に必死に取り組んだことは、きっと1年経てば良い笑い話になる。中途半端に取り組んで失敗したことは、生涯の後悔となる。」これは入会当時の理事長であった先輩から教わった事です。JCは失敗を許される組織とも言いますが、これはあくまでも真剣に無理難題に挑戦しているということが条件であります。VUCAの時代と呼ばれて久しい昨今、明るい未来を創造することが難しく、特にコロナ以降は踏み出そうとする一歩に様々な不安や迷いを抱えての運動を強いられてきました。
広壮豪宕
スローガンに掲げたこの言葉には、小さなことにとらわれず持っている力を意気盛んに伸び伸びと発揮する、という意味があります。
節目を迎える今年、リスクヘッジな運動よりも、派手に失敗をぶちかますかもしれない大きな志を持った挑戦をしよう。これだと決めた運動に敦賀青年会議所の全員が賭けるような潔い思い切りを持ちたい。たとえ失敗に終わっても、その経験値からもう一度挑戦した先で得た成果には、さらに大きな成長と喜びが残る。挑戦しない者には、あの時やっておけばよかったという後悔以外は何も残らない。歩みを進める強い意志を抱き続け、明るく豊かな社会のために、ともに挑戦を続けよう。
基本理念
信念を持った大きな志を掲げ、自己成長を求めて挑戦しよう。
基本方針
- 創立65周年記念式典、大懇親会事業の展開
- 65周年記念事業の展開
- 敦賀の未来や青少年の未来に夢を抱き、まちに魅力を感じて発信できる事業の展開
- 公益社団法人基準に則した事業展開
- 行政、外部団体との連携強化
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会への支援連携並びに積極的な参加
委員会構成 1実行委員会・2委員会・2局
65周年実行委員会
65周年記念式典並びに大懇親会を中心に事業展開を行います。65年の長きにわたり、この敦賀青年会議所が存続してきたのは、関わり続けていただいている行政や各団体、そして敦賀青年会議所に在籍をしてこられた先輩諸兄のおかげです。60周年記念式典や大懇親会を開催できなかった当時の悔しさを事業実行の力に変えて、関係各位の皆様へ敦賀青年会議所のこれからの方向性を示し、日ごろの感謝の気持ちを精一杯のおもてなしでお伝えします。
- 4月度例会(他4)
65周年記念式典、大懇親会に向けた準備例会の担当 - 8月度例会(他4)
65周年記念式典並びに大懇親会の担当 - 全体事業としての会員候補者の情報収集と会員拡大
- 65周年記念事業のサポート
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会、各事業への積極的参加
- 総会決議、理事会で承認された事業及び業務担当
ブランドデザイン委員会
新幹線開業を迎えたこの敦賀市には多くの地域資源がありますが、勝山の恐竜博物館のように観光客を多く呼び寄せ、尚且つ心を掴んだ人を何度も訪れさせたくなるような決定的キラーコンテンツはありません。敦賀市民の中には、他の市町の成功事例や優れているスポットにばかり目が行き、自身の住むまちに対し、劣等感を抱く人も少なくありません。しかし、新幹線開業後の現状の敦賀市が持つ資質的な価値を見定め、観光客には「このまちにもう一度来たい」と感じてもらい、市民には「何度も喜んでもらうには何が必要か」を考えてブラッシュアップをしてもらうことが必要です。敦賀を俯瞰的に見て、市外県外からの視線を冷静に分析し、一手先、二手先の敦賀の未来を考えます。
今、我々責任世代がまちづくりの当事者でありますが、この当事者は当然の事ながら、時代とともに移り変わっていきます。責任世代が次世代をうまく巻き込むことで、まちづくりは循環し、継続し、大きな成果と未来を創り出す可能性を秘めています。意欲ある次世代の若者とともに、敦賀の価値を高める事業を展開します。
- 5月度例会(他4)
法人形態の在り方を問う例会の担当 - 9月度例会(公1)
市民や観光客とともに、敦賀の価値を高める事業の担当 - 全体事業としての会員候補者の情報収集と会員拡大
- 65周年記念式典及び大懇親会のサポート
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会、各事業への積極的参加
- 総会決議、理事会で承認された事業及び業務担当
会員拡大委員会
JCへの入会を勧めるからには、勧誘する会員がJCをやる意義を会員が持っていることが理想です。入会したきっかけはそれぞれですが、自身の成長、社会への貢献、所属する会社への還元、これらが線でつながり円のように循環するように感じられると、所属している価値を感じられるようになります。まずは、会員がこの価値を感じてもらえるよう会員の意欲醸成を行います。
そしてまだ見ぬ会員と出会うためにこの会員拡大委員会が先頭に立ち、会員拡大を行います。2020年のコロナショック以降、会員拡大は喫緊の課題となっています。会員拡大は組織の存続のためだけではなく、新しい人材を得ることが組織の活力を生み出すからこそ必要なのです。「知られていなければ、存在していない事と同じ」これはマーケティングの世界では真理とされています。いつでもどこでも、手のひらに収まる媒体から繋がることができる時代です。我々が行っている運動を発信し、会員の発掘につなげていきます。
- 2月度例会(他4)新入会員オリエンテーションの担当
- 6月度例会(公1)65周年記念事業の担当
- 11月度例会(他4)会員交流事業の担当
- 敦賀JCを代表した会員候補者の情報収集と会員拡大
- 65周年記念式典及び大懇親会のサポート
- 敦賀JCの魅力と価値が伝わる各種SNSの運営
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会、各事業への積極的参加
- 総会決議、理事会で承認された事業及び業務担当
事務局
事務局は表に立った目立つ動きは多くありませんが、存在無くして青年会議所の運営は立ち行きません。事務的作業の連続ではありますが、会の運営の適度な緊張感は事務局の設えや動き方が影響してきます。
毎月行われる会議の運営や設営は、年に数回行われる総会に繋がっています。また、年に数回行われる総会は、今年開催の周年記念式典などとても大きな事業の設えにつながるということを理解してもらいます。言われたことだけ、指示があったことだけを淡々とこなす事務局ではなく、目配りと気配りをして自ら気づいて行動を起こせる事務局の運営を目指します。配慮のある事務局の動きがこの敦賀青年会議所のイメージを作り上げていくということを意識して、LOMを牽引できる事務局を目指します。
- 定時総会(1月)の企画・運営・議事録の作成(他4)
- 臨時総会(7月・12月)の企画・運営・議事録の作成(他4)
- 3月度例会(他4)
ブロック公式訪問の設営の担当 - 10月度例会(他4)
>会員の資質向上を図る例会の担当 - 65周年記念式典及び大懇親会のサポート
- ホームページの運営
- 日本JC災害ネットワークに関する業務
- 理事会の設営
- 総会・理事会の議事録の作成
- 日本JC災害ネットワークに関する業務
- 会員候補者の情報収集と会員拡大
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会、各事業への事業支援並びに積極的な参加
- 総会決議、理事会で承認された事業および業務担当
財政局
公益社団法人を名乗る団体として、財政のバランスを取ること、コンプライアンスを精査することはとても重要な要素となります。各種会議を通じて、LOM全体の財務管理や定められたルールに則られた方針であるかを常に見極め、会員に指導をします。多岐にわたる職務がありますが、市民と行政から信用される組織となるよう厳格に財政管理を行います。
- 財務会議の実施(適宜)
- 公益社団法人基準に基づく財務諸表の作製
- 監督自治体への年次報告書の作成
- コンプライアンスの精査
- 各事業における財政バランス、費用対効果の検証と指導
- 65周年記念式典及び大懇親会のサポート
- 会員候補者の情報収集と会員拡大
- 日本青年会議所、北陸信越地区協議会、福井ブロック協議会、各事業への積極的な参加
- 総会決議、理事会で承認された事業および業務担当